企業会計原則とは?7つの一般原則・構成・位置づけと全文PDF・逐条解説
企業会計原則は、日本の会計の基本となるルールで、税理士試験(財務諸表論)や公認会計士試験、日商簿記の学習でも必ず登場します。この記事では、企業会計原則の性格と法的な位置づけ、理論構造、近年の動向をわかりやすく解説し、全47ページの逐条解説と全文PDF・条文HTMLを紹介します。
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損益計算書
企業会計原則とは
企業会計原則とは、昭和24年(1949年)7月9日に、経済安定本部の企業会計制度対策調査会(現在の金融庁・企業会計審議会の前身)が公表した、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準です。いわば日本の会計基準の基本となるもので、日本版GAAP(Generally Accepted Accounting Principles)とも呼ばれます。
企業会計原則の前文(「企業会計原則の設定について」)では、企業会計原則の性格として次の3点が示されています。
- 企業会計の実務の中で慣習として発達したもののうち、一般に公正妥当と認められるものを要約したものであり、法令で強制されなくてもすべての企業が会計処理にあたって従わなければならない基準であること
- 公認会計士が公認会計士法や金融商品取引法に基づき財務諸表の監査をする際の判断基準となるもの
- 将来において会社法や税法など会計に関する法令を制定・改廃する際に尊重されるべきもの
企業会計原則の法的な位置づけ(法的強制力)
企業会計原則は法律ではないため、それ自体に直接の法的な強制力はありません。
しかし、会社法(第431条)や金融商品取引法(財務諸表等規則第1条)などでは、会社の会計は一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行や基準に従うことが定められています。企業会計原則はこの「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」に該当すると解釈されているため、会社法や金融商品取引法などの関連法令を通じて、実質的に法的強制力を持つルールとなっています。
そのため企業会計原則は、金融商品取引法会計による有価証券報告書の作成や、会社法会計による計算書類の作成にあたって、すべての企業が従うべき会計の指針として機能しています。
企業会計原則が必要とされる理由(規範性)
企業会計は、記録と慣習、そして会計担当者の判断という、主観が入りやすい要素(コンベンション)で成り立っています。
そのため、何のルールもなければ、会計担当者が自由に判断して会計処理の方法を選び、利益を大きく見せたり小さく見せたりする利益操作の余地が生まれてしまいます。そこで、主観が入りやすい企業会計に対してできるだけ客観的で合理的な指針を示し、財務諸表に対する社会の信頼を確保する必要があります。
一方で、企業会計原則そのものを法律として直接固定してしまうと、多様で変化の速い経済環境や会計実務に柔軟に対応できなくなります。そこで、企業会計原則自体には直接の法的な強制力を与えず、会社法や金融商品取引法などの法令を通じて実質的に強制力を持たせるという形がとられています。
企業会計原則の理論構造(会計公準との関係)
企業会計の伝統的な理論体系において、企業会計原則は会計実務を導く最高規範と位置づけられています。
ただし、企業会計原則がゼロからすべてを定めているわけではありません。会計公準(企業実体の公準・継続企業の公準・貨幣的評価の公準)という基礎的な前提(土台)の上に立ち、企業会計原則が「どのように会計処理・報告を行うべきか」という規範を示し、それに基づいて個々の具体的な会計手続が展開されるという階層構造(演繹的アプローチと帰納的アプローチの融合)をとっています。

企業会計原則をめぐる近年の動向
近年は、会計制度を見直す際に、企業会計原則そのものを改正するのではなく、個々の論点ごとに企業会計基準委員会(ASBJ)が個別の企業会計基準(収益認識会計基準、金融商品会計基準、固定資産の減損会計基準など)を新しく設定する形で行われています。
実務および試験上の適用関係としては、個別の会計基準が企業会計原則より優先して適用され、個別の会計基準に定めのない事項については、基礎となる共通ルールとして引き続き企業会計原則が適用されます。
企業会計原則の構成(三部構成と注解)
企業会計原則は、一般原則・損益計算書原則・貸借対照表原則の三部構成と、各条文を補足・具体化する企業会計原則注解から成り立っています。
| 区分 | 位置づけ・役割 | 主な原則・項目 |
|---|---|---|
| 第一 一般原則 | 企業会計全般に対する理念・理想など、包括的な最高指針(包括的原則) | 真実性の原則、正規の簿記の原則、資本取引・損益取引区別の原則、明瞭性の原則、継続性の原則、保守主義の原則、単一性の原則 |
| 第二 損益計算書原則 | 損益計算書における収益・費用の認識・測定(会計処理)と表示方法の基準 | 発生主義の原則、実現主義の原則、費用収益対応の原則、総額主義の原則、損益計算書の区分 |
| 第三 貸借対照表原則 | 貸借対照表における資産・負債・資本の分類・配列・評価(取得原価主義・費用配分)の基準 | 貸借対照表の本質、総額主義、区分・流動性配列法、資産の貸借対照表価額 |
| 企業会計原則注解 | 本文の重要な規定についての解釈・適用指針・例外処理の定め(注1〜注25) | 重要性の原則(注1)、重要な会計方針(注1-2)、重要な後発事象(注1-3)、経過勘定(注5)、引当金(注18) |
企業会計原則の全文PDFダウンロード・逐条解説HTML
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企業会計原則に関するよくある質問
Q. 企業会計原則の7つの一般原則とは何ですか?
真実性の原則、正規の簿記の原則、資本取引・損益取引区別の原則、明瞭性の原則、継続性の原則、保守主義の原則、単一性の原則の7つです。このうち「真実性の原則」がすべての原則の頂点にある最高規範と位置づけられています。
Q. 企業会計原則は法律ですか?
法律ではありませんが、「一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行・基準」として、会社法(第431条)や金融商品取引法、法人税法(第22条第4項)を通じて実質的な法的規範性が与えられています。
Q. 企業会計原則は現在も使われていますか?
現在も有効です。個別の論点については企業会計基準委員会(ASBJ)が公表する「企業会計基準」が優先して適用されますが、財務諸表作成の基本理念(発生主義・実現主義・費用収益対応・継続性・重要性・引当金の4要件など)は現在も企業会計原則が日本の会計実務の土台となっています。
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