簿記とは企業の経済取引を会計帳簿に記録して財務諸表を作成するまでの一連の作業を指しますが、手作業で会計帳簿を記帳する場合における複式簿記による簿記一巡の流れは次のとおりです。
簿記検定はこの手作業で会計帳簿を記帳することを前提としています。
この場合における試算表の役割は「総勘定元帳への転記の正確性の検証」です。これが本来の意味における試算表の役割です。
会計ソフトを使った簿記一巡の流れ
それに対して、現代において会計帳簿の作成は手作業ではなくほとんどの場合会計ソフトへの入力により行うのが普通です。この場合ほとんどの作業が自動集計されますので簿記一巡の流れがかなり省力化されます。
具体的には仕訳を行うと同時に自動的に②の総勘定元帳への転記と③の試算表の作成が行われるため②と③が省略され上記図解の手順が①→④→⑤となります。
この場合の試算表の役割は「決算書を作成するための基礎資料」へと切り替わります。